観山荘が発行する日本文化情報誌「趣人」の編集長が料亭に関するいろいろな疑問を、料理長や店長にぶつけるシリーズ企画、「料亭の上手な使い方」。記念すべき第一回目は、「接待を成功させる方法」。
料亭での立ち振る舞い方やマナー、お客様に喜んでもらうコツなどを聞いてみました!
接待を成功させる方法
ここが間違えたらすべてアウト。席の座り方
まず席の座り方ですが、いろいろなマナーを教えてください。
接待ではお客様よりも早めに着き、お部屋で待つのがマナーです。
20分から10分前に着くようにしましょう。お部屋へ入る時も、目上の方から先に入ります。案内されたお部屋では、必ず上座、下座の確認を。上座、下座の位置は図で書くとこんな感じです。
入り口から一番遠い、床の間側が上座になります。
一方入り口に近いほうが下座になります。
挨拶などで、上座に行く時は必ず、入り口側を回るようにしましょう。
そうですね。まず飲み物について。最初はだいたいビールですが、銘柄などお客様に合わせ選びましょう。
ビールはお始めだけの方が多いので、先付け・前菜が終わったら、何が良いか上司や目上の方に尋ねましょう。フランクな関係の場合は、自分から伺っても良いですが自社の上の者から尋ねるほうが、作法です。
なるほど。若輩者がその場を仕切ってるように見せたら、ダメなんですね。
酒の注ぎ方
ええ。それと、お酒のグラスは空にしないように、お注ぎしましょう。
対面している下座の人が注ぐのが礼儀です。
2人に注ぐ場合は、必ず目上の方から注ぎましょう。
お飲み物を途中で変える方が多いので、なくなりそうなところで、同じ物か次の飲み物にするか尋ねましょう。
そんなとき、どうやって仲居さんを呼べばいいですか。
テレビでよく見るのは、手を叩いたりしてますが。
手を叩くのは良くないですね。他の個室にもお客様がいらっしゃるのでご迷惑です。仲居は頻繁に部屋に来ますので、その時にご注文ください。それに観山荘は部屋に電話もありますので、大丈夫です。
会計の仕方
食事が終わり、水菓子やフルーツが出たら、お手洗いに行く感じ出て、おあいそをしておきましょう。その時一緒に、車の手配も頼んでおくとスマートです。
全員が帰るときに帳場で支払うのは、他の皆様を待たせるのは良くないですね。
水菓子も、おあいそも終わったからといって、勝手に席を立たないようにしましょう。
お部屋を個室にしているのは、他のお客様と会わないためです。玄関でも、他のお客様と一緒にならないよう、店側はタイミングをずらします。
混み合っているときは時間がかかるかも知れませんが、お部屋で待つのが作法です。車などのお供がない場合は、待っている時にお土産を渡すほうが良いでしょう。
それから帰り際ですが、玄関でも、目上の方から先に履いてもらいますので、注意してください。
お土産をここで渡すのもスマートですね。前もってお店の人に頼んでおくといいですね。
観山荘では7日前にはお客様に電話して、予約の確認などをしますので、その時に何か疑問があればどんどん仰ってください。お客様の接待が少しでもうまくいくよう、ご協力させていただきますから。
それは心強いですね。料亭のプロを味方につける、これも接待上手になるコツですね。