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概要

趣人01

木村佳代のツウになろう文●木村佳代(タレント)風流ギャラリー風流ギャラリー筒井ガンコ堂の旅本舗一期一会旬を探してカクテル物語絵の具箱のひとりごとものづくり人探訪私のこだわりの逸品器道楽日本のうた世界のうた花語りツウになろう観山グルメコレクション いろんな体験が出来てしかも、以前テレビ番組でお世話になったカメラマン四宮さんに撮影もしてもらえるというので、二つ返事で引き受けた今回のお仕事。編集長から「本膳料理を食べてもらいます」「んー?おんせん料理?」「いや、料亭で」懐石料理のようなもの?それくらいしか思い浮かばず、それより、すごくきちんとして行かなければいけないのかしら……と少々気重になった。 まず、門の前で撮影。「いいねぇー、いいねぇー」四宮さんのでっかい声になごみながら、入口の風格に少々緊張していた。 以前から料亭の前を通る時、門から飛び石でつながっている奥の入口を眺めては、「高そう」「どんな人達が入ってるのかな」「私の人生、一度もこないまま終わるのか……」など心の中でつぶやきながら、淋しさに浸っていた。 そんなあこがれの?ザ・料亭?へ、いよいよ足を踏み入れるのです。 テレビ番組のロケであまりの緊張に同じ側の手と足を出して歩いた事のある私、確認してお座敷へ進みます。ふかふかの座ぶとんに座ると、お膳が運ばれてきた。一体どれからふたをとったら良いのか、迷う私に女将さんが一つ一つ教えてくださった。 右のものは右に、左のものは左にふたを置き、一口ずつ食べたいものを頂く。二口続けては食べないものらしいのです。おいしいとつい、続けてお箸を出してしまいそうになりますが、本膳料理のお約束です。「後は普通に食べて構いませんよ」と言ってくださり、お話しているうちに思いました。何も大変な場所に来たわけではないのかも……。そう、お見合いでもないのだ!見事なまでにきれいに作られた一品一品を眺め、香りや味をゆっくり楽しんで一緒に来た人と幸せ感にひたれば良い。それだけなのです。お作法も素晴らしいお料理を作った方に、「すごいわ?」と敬意を持ち、舌の上に神経を集中させると、噛む速度もお箸の出し方も自然と落ち着いたものとなり、美しい動作になるものなのです。 一番感激したのは、日本にこのような繊細で美しく豪華で、しかも品格のあるお料理があったという事です(なにしろ一番贅沢なのは大トロとウニと思っていたから)。 昔の日本にはなぜか?質素?という印象があった私、かつての本膳料理はもっと華やかだったと聞いてびっくり。 江戸時代の大名の暮らしは想像出来ないほど贅沢だったようです。不思議とうれしい気分。次はお姫さまとして生まれるのもいいな?なんて。まぁ、冗談はこのくらいにして、真面目な話、三十代をきちんと過ごしたいと願っている私にとって、人と充実した空間で過ごすことはとても大切。気のおけない友人達と美味しいお料理を頂きながら(おいしくないとダメ)、ゆっくりと話をしながら心に元気を貯める。元気がなくなったら、また貯めるためにその時会いたいと思った人に会う。 料亭はそんな私がくつろげる絶好の場所だぁと思いました。 陽も沈み、やわらかな光でライトアップされた幻想的な庭園を眺めながら、友人の笑顔を思い浮かべた。彼女もきっとすごく感激してくれるだろうなと。 それにしてもプレッシャーだった作法も、そして料金も私たちでも入ることの出来る場所だった。しかも個室を利用できるなんて驚きです。手の込んだお料理の数々に、目と心の保養になる器や高価な置物、そして掛け軸。まさに料亭は私たち女性のためにある場所だと思いました。明かりを少し落としてくださったお部屋で、吟醸酒を味わいながらふと振り向くと、汗だくの四宮さんが、ハァーハァーと一生懸命美しいショットを撮ってくれていた。またまた感激。この冬のとっておき料理  冬は食材が豊富でしかもどの食材も「旨味」が詰まっていて、料理人としては心が躍る季節です。 魚は脂がのり身も肥えている、野菜も甘みが出てくる。そんなおいしい食材をふんだんに使ってのとっておき料理となると、やはり鍋が一番だと思います。 特に平戸のアラ、玄海灘の鯛、下関の河豚、福岡の春菊、阿蘇の白菜、竹田のかぼす、大分の白葱、生茸など、九州の各県名産の食材を使った鍋は格別です。 他にも、蕪や海老芋、柚子に堀川ごぼう、蟹にアンコウ、ヒラメ、甘鯛など、冬は本当に食材が豊富です。 市場に買い付けに朝出かけ、今日はすごく寒いなと感じた日、とれたての蕪を買って甘鯛と昆布で、蕪蒸しを作ろうなんて思いつく。寒が強いと蕪が甘くなり蕪蒸しにするにはもってこいだからです。 私が料理人として一番大切にしているのは、季節の風や香り、温度を肌で感じることです。 それらを五感で受け止め、その日一番旨い食材を選びお客様に喜んでもらう。料理人になって良かったと思う一瞬です。 重ねて申し上げますが、冬は本当にどの食材もおいしい季節です。 どうぞ、心を込めて作った私たちの料理をお楽しみ下さい。 桜坂「観山荘」料理長 原文夫観山グルメコレクション七五三七五三のしきたりが定着したのは、武家中心社会となった江戸時代に入ってからのこと。七、五、三という数は、奇数を重んじる中国の思想の影響を受けたもので、地域によって「男児は5 歳、女児は3 歳と7 歳」、「男児は3 歳と5 歳、女児は3 歳と7 歳」というように年齢と性の組合せが違っている。旬の魚 ● 鰯・かます・秋刀魚・鯖・カレイ旬の野菜● 蕪・ほうれん草・白菜・生椎茸事始め正月を祝う習慣は世界中にあるが、日本ほどこの準備に力を入れる国はないだろう。まず12 月13 日を「事始め」といって正月の準備を始めるにあたっての大掃除をした。昔はこの時期になると、煤竹売りの売り声が聞かれ、「事始め」の風物詩だった。旬の魚 ● 河豚・平目・鱈・蛸・するめイカ旬の野菜● ブロッコリ-・独活・三つ葉・ネギ◎観山荘12 月は料亭も1 年で最も忙しい季節です。忘年会、クリスマス、そしておせち料理の予約とてんてこまい。桜坂観山荘では三越及び店舗で、小倉観山荘別館では店舗にて、おせち料理の予約を受付ています。お引き渡しは31 日。どうぞお早めにご予約下さい。若水元日に初めてくむ水を若水といい、若水くみを年の最初の行事とし、トシ神さまとともにいるという意識で屠蘇酒を酌み交わす。お年玉の由来はこのトシ神さまの恩恵を分かち合う意味で一人一人に小さい餅を配ったところからはじまった。旬の魚 ● 鯉・サワラ・鱈・白魚・河豚旬の野菜● 春菊・京菜・牛蒡・カリフラワ-◎観山荘初釜、初舞、新年会と行事が目白押しです。また1 月7 日には七草がゆ、そして成人式の祝宴と料亭ならではのおもてなしで皆さんをお待ちしています。節分本来節分は、季節の分かれ目という意味。したがって立春、立夏、立秋、立冬と4 つの節分があるが、行事としては立春前夜の節分が最も有名になった。おそらく、1 年の季節のスタ-トにあたる日であり、農耕生活では、1 年中の生活設計を始める日でもあったというのが大きな理由といわれている。旬の魚 ● 鰯・サワラ・白魚・むつ・河豚旬の野菜● 京菜・春菊・ほうれん草・三つ葉雛祭り少女の健やかな成長を願う雛祭り。現在のように雛段を作って並べる内裏びなは、江戸中期ごろに京で起こったもの。江戸時代の雛は面長で、時代が進むにつれて丸顔になった。旬の魚 ● 甘鯛・サワラ・にしん・平目旬の野菜● からしな・蕗・玉葱・京菜・春菊染井吉野現在ほとんど全国中に見られる染井吉野は、江戸時代末期に染井村(今の東京の駒込辺り)の植木職人が何種類かの桜をかけあわせて作ったもの。それまで全国的に有名だった奈良原産の吉野桜を意識しての命名だった。旬の魚 ● アジ・さより・飛魚・真鯛・ぶり旬の野菜● 筍・わらび・蕗・さやえんどう◎観山荘春になると、例えば桜坂観山荘ではディスプレイの花を桜一色にしてお客様をおもてなしいたします。どうぞ、春爛漫の中でおいしいお料理をお楽しみ下さい。 普段着の着物は、「織と織」「織と染」「染と織」「染と染」をいかに着物と帯で組み合わせ、季節感や質感、色彩やコーディネートを楽しむかということがポイントです。 例えば、今年の夏は浴衣が大人気でしたが、麻や綿素材のちぢみ織りの着物に正絹の帯をあわせ浴衣代わりに着こなすと、ぐっとおしゃれで粋なたたずまいになると思います。 また柄でいえば、日本の染物の技術が集約された「木紋」に、季節のモチーフを彩った染帯をあわせるというのもおすすめです。 色合わせも素敵に着物を着こなす重要なポイントです。着物の地色や、柄の中にある色をピックアップして帯をあわせるなどはすでにご存じのことと思いますが、昼は着物と帯の色のコントラストを柔らかくし、夜は少し強くするなど、TPOにあわせた着こなしも大人の女性ならではの楽しみといえるのではないでしょうか。 楽しみといえば、和装小物のセレクションも自分なりの個性を表現する上で欠かせないものです。 とくに「おしゃれは足元から」の言葉もあるように、草履選びは着物を着こなすうえで大切です。 最もポピュラーなのは金地などの草履ですが、カジュアルな着こなしには黒地の草履がおすすめ。足袋の白とのコントラスがとても綺麗で、普段着物を見慣れている私でも素敵だなと思ってしまいます。 もちろんこれらのコーディネートは原則的には自由ですから、帯と着物の組み合わせだけでも数百万種類にのぼり、一生かけてもその全てを味わうことが出来ないくらい、着物には膨大なフィールドがあります。それだけに、着物を普段着で着ていくうちに、色彩感覚や美意識を自然に身に付けていくことが出来るような気がします。 先進国の中で手作りの服飾文化をもっているのは日本だけです。長い歴史に培われてきた「きもの」は、単に知識や流行だけでは図ることの出来ない微妙な洗練された魅力に満ちています。 どうぞ、肩の力を抜いて普段着として着物を着てみて下さい。きっとあなたの新しい魅力が見つかるはずです。 なぜなら日本人を一番美しく見せる装い、それは着物なのですから。さぁ、お互いに日本人をもっと楽しみましょう。暮らしの歳事記〒802-006北1 九州市小倉北区三郎丸3丁目10-41〒810-003福1 岡市中央区谷1丁目3-20〒810-003福1 岡市中央区谷1丁目3-15観山荘別館桜坂観山荘IMURIお問い合わせ先TEL 093(941)2151 FAX 093(922)2301TEL 092(721)5588 FAX 092(721)0770TEL 092(762)7070 FAX 092(721)55124月(卯月) 3月(弥生) 2月(如月) 1月(睦月)12月(師走)11月(霜月)発行所/株式会社「観山」〒802-006北4 九州市小倉北区片野2-15-12階 4 Tel.093(941)1450 Fax.093(941 )5 7発18行人/川畑摩心 編集人/高坂圭 デザイン/工藤直亮 写真/四宮佑次 アシスタント/池谷嘉仁 川口拓真日本人を楽しもう「普段着の着物」01文●高倉慶応(蝶屋副社長)モデル/コントラバス奏者北崎千代佳  ヘアメイク/手嶋春海  (IMURIテラスにて)衣裳協力/蝶屋