料亭Q&A
高坂編集長
小野店長
観山荘が発行する日本文化情報誌「趣人」の編集長が料亭に関するいろいろな疑問を、料理長や店長にぶつけるシリーズ企画、「料亭の上手な使い方」。今回のテーマは「お酒の注ぎ方マナー術」です。

お酒の注ぎ方マナー術

上手なビールの注ぎ方

お酒の席のマナー術ですか。苦手だなあ。いつも飲み過ぎて覚えてないことが多いんですよ
それはマナー以前の問題ですね。いろいろありますが今日はお酒の注ぎ方に注目したいと思います。まずはビールですが、ラベルを上にし、手でラベルを隠さないように片手で瓶の下の方を持ち、反対の手で瓶の下を軽く支えるようにしましょう。この時に指を揃えると美しく見えます
泡をキレイに立たせる注ぎ方ってありますか?
はい。高めの位置から勢いよく注ぎ、だんだんゆっくりにすると、良い泡が立ちます
そうなんですね。あ、それと僕、飲んでる途中で注ぎ足されるのイヤなんですよね
そうですね・ビールは空のグラスに注ぐことで美味しく飲めるので、グラスにビールが残っている場合は注ぎ足さず、ビールはいかがですか?などと声をかけ、飲み干してもらってから注ぐほうがいいですね
じゃあお酌を受けるほうも、いったんビールを飲みほしてから注いでもらったほうがいいですね。よくグラスを傾ける人がいますが
グラスは傾け過ぎず、グラスの底に両手を添えておくほうがキレイですね

日本酒のお酌のマナー

次は日本酒ですか。余計にややこしそうですね
そんなことないですよ。お酌をするときは、徳利の真ん中あたりの胴部分を右手でしっかり持ち、左手は下側に添え、盃の八分目までを目安に注けばOKです
熱燗のときは、どうすればいいんですか?
熱燗の場合は、火傷をしないように徳利の首部分を右手で持ち、左手は徳利の底部分にタオルなどをあてて持ちます
首の部分ね。わかりました。他に気を付けることは?
はい。盃がテーブルにある時にお酌をするのは、置き注ぎ、と言って失礼にあたるので注意してください
へぇー、そうなんですね。じゃあ、受けるほうも必ず盃を手に持つと。
そうです。盃の持ち方ですが、基本は両手で持つことです。正しい持ち方は、右手の中指と薬指の間で盃の糸底をはさみ、親指と人差し指で上部を持ちます。女性は盃の下に左手を添えて両手で持つと美しく見えますよ。また注いでもらった後は、必ず口を付けてからテーブルに置きましょう
ところで宴会などでビールやお酒をもって、テーブルを回ることありますよね
実はあれはマナー違反です
え、そうなんですか。みんなやってますよ
お酌まわりは手ぶらで移動し、その席にあるお酒を注いでください。
そうなんだ。お酒を持っての移動はマナー違反。覚えておきます

ワインの上手な注ぎ方

次はワインですか。なんか一番難しそうですね
いやー、ビールと同じですよ。ボトルのラベルを上にして、手でラベルを隠さないように片手でボトルの下の方を持ち、反対の手でボトルの下を軽く支えるようにし、グラスの3分の1くらいまで注いでください
どうして1/3なんですか?
ワインは香りを楽しむお酒なので、グラスを回してワインの香りを立たせるためにはそのくらいが適量なんですよ。だからワインの注ぎ過ぎはNGです
注いでもらう側のマナーは
日本酒と違ってワインは、グラスを持ち上げず、テーブルに置いたまま注いでもらってください
お酒も種類によっていろいろマナーがあるんですね
お酒の席はコミュニケーションの場でもありますから、お酌のマナーを覚えて、相手に好印象を与えると仕事もうまくいくと思いますよ
はい。僕はまず酔っぱらいすぎないようにしたいと思います(笑)
お酒上手への道は遠いですね(笑)