観山グループ
採用情報
お問い合わせ
時には読んだ本の話など。「嫌われた監督」 鈴木忠平
落語や噺家のことをメインに書いてきた連載だが、
そもそもは観山荘の文化情報誌「趣人」の編集長として
書き始めたのがこのコラムのきっかけだ。
‘
だから今回からエンタメの幅を広くして
「ごらくはらくご:」の娯楽の部分、映画や本の紹介
などもしていこうと思います。
読み物としてもっと面白くしていきたいという
願いを込めて。
というわけで今回は一冊の本を取り上げます。
どうぞお読みください。
‘
稀なるノンフィクション
「嫌われた監督
落合博満は中日をどう変えたのか」
鈴木忠平
‘
プロ野球にあまり興味がない。
スポーツ新聞はもちろん
テレビ中継もほとんど見ない。
選手の顔と名前も一致しない。
そんな僕だが、本作には魅了されっぱなし
だった。
ページをめくる手が止まらなかった。
’
中日ドラゴンズを日本一のチームにした
にも拘わらず、監督として嫌われ続けた
落合を、筆者は本人の生の言葉、当時の選手や
スタッフの証言を綴りながら、浮かび上がらせる。
’
そして何よりこの本が他のノンフィクションと
一線を画しているのは、筆者自身の記者としての
葛藤、疑問、自虐を臆することなくさらけ出し、
生身のまま落合監督と向き合い、彼の本音を
唯一聞き出していくところにある。
’
なかでも、第4章「岡本真也・味方なき決断」は
出色だ。
2007年日本シリーズ、完全試合目前の山井投手を
9回表で交代させた、史上残る采配の裏には何が
あったのか、落合ははなぜ非情な決断をしたのか、
結果日本一になったにもかかわらず、賛否が
渦を巻く世間に監督が思うことは何か。
’
決してわかったような答えを出すことなく、筆者は
自問自答を繰り返しながら真実に迫っていく。
それが図らずも、ビジネスパーソンズたちにも
支持された「リーダー論」にもなっている。
’
大宅壮一ノンフィクション賞
本田靖春ノンフィクション賞
新潮ドキュメント賞と史上初の三冠を
達成したのも、当然だと思える
いやー、これは類い稀なる傑作です。
’
#嫌われた監督
#稀なノンフィクション嫌われた監督
#素晴らしい作家鈴木忠平
#落合博満は中日をどう変えたのか
#文春文庫
高坂圭
放送作家・脚本家・物語プランナー。主な作品、映画「千年火」「卒業写真」
ブログ:「
圭さん日記
」
目次
第一話
桂平治師匠のこと
第二話
桂平治独演会レポート
第三話
Do you know すわ親治?
第四話
立川談幸師匠のこと
第五話
立川談幸独演会レポート
第六話
将来の名人、柳亭市馬師匠
第七話
立川談志師匠の言葉
第八話
国際派落語家 三遊亭竜楽
第九話
喬太郎落語の魅力
第十話
律義で粋 古今亭菊之丞
第十一話
観山寄席の思い出
第十二話
乙だねぇ、よっ、喬太郎!
第十三話
DO YOU KNOW ナオユキ?
第十四話
冬のおすすめ噺
第十五話
立川生志師の一冊
第十六話
夏のおすすめ噺 「青菜」
第十七話
人柄が作り出す、すわ親治の笑い
第十八話
三遊亭竜楽師匠が落語への想いを話してくれました。
第十九話
柳家喬太郎師、インタビュー
第二十話
立川談慶師匠のこと
第二十一話
林家彦いち師匠のこと
第二十二話
古今亭文菊師匠のこと
第二十二話
桂文治師匠インタビュー
第二十三話
時には読んだ本の話など。「嫌われた監督」 鈴木忠平