ごらくはらくご

桂平治師匠のこと

初めまして。僕は「観山寄席」のお世話をさせてもらっている、高坂圭というものです。普段はテレビや映画のシナリオを書いたり、広告のディレクションをやったりして暮らしています。

落語は子どもの頃から好きで趣味で見たり聴いたりしてきたんですが、気がつくといつの間にか、寄席をプロデュースしたり、落語のDVD(「落語笑笑散歩・ソニーミュージック)を構成したり、仕事のひとつとして関わるようになりました。

この原稿もそうした経緯からお引き受けしました。これから不定期ではありますが、連載という形で落語もろもろのことを書いていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

さて記念すべき第一回目は、次の観山寄席(2/17、18)に出演していただく、桂平 治師匠についてご紹介します。

師匠は、1967年生まれ、大分県宇佐市の出身です。

落語に出会ったのは小学校4年生の時。当時ドリフターズの孫悟空という人形劇をテ レビでやっていてその声の出演に桂歌丸、三遊亭円遊さんたちが出ていた。世の中には不思議な名前があるもんだなーと興味を持ち、それからその人たちの名前が出る寄席番組を観るようになったのが、落語を好きになったきっかけだったそうです。

中学1年の時には初めて人前で「初天神」という噺を喋り、中学3年で大分に来ていた桂文治師匠に弟子入り志願をしたというのですから、驚きです。

その時の師匠の、「こういう時代だから高校ぐらいは出てた方がいいんじゃないか」の言葉を受け、高校卒業後、再び文治師匠に弟子入りをし、念願かなって落語家への道をスタート。以降精進を重ねられ、1999年真打ちに昇進されました。

落語への評価も高く、NHK新人大賞落語部門大賞、第3回林家彦六賞、祭新人賞など、数多くの受賞をされています。

高座はとにかくからりと明るく、笑顔がいいんです。出てこられるだけで周りが楽しくなる、そんなオーラを持った噺家さんです。

趣味はカブトムシの飼育。子どもの頃から好きで、現在、34匹と同居(2010年新聞記事より)、カブちゃんと呼び可愛がっているとのこと。

時折師匠の落語にもカブちゃんの模写が登場し、お客さんも大喜びです。

さあ今回の「観山寄席」には、カブちゃんの出番はあるやなしや、そんな気持で楽しんでもらうのも一興かもしれません。

からりと明るい桂平治師匠の高座は、最近ニュースを賑わせている善意の輪、伊達直人さんの話を聞いた時と同じように、気持をまあるく嬉しくさせてくれます。

どうぞ皆さん、平治師匠の高座を一度ご覧になってください。楽しい一日になること請け合いです。

もちろん、観山自慢のおいしい料理とお酒も準備万端、皆さんのお越しをお待ちしています。

高坂圭

放送作家・脚本家・物語プランナー。主な作品、映画「千年火」「卒業写真」
ブログ:「圭さん日記