2月のご挨拶
まだまだ寒い日が続いております。とはいえ、九州は寒いといっても雪の被害は受けておらず、これくらいの事では、寒いなどと言ってはいけませんネ。朝、床から出る時は気合いと共に起き、すばやく食事の準備、ゴミ出しの準備と動き始めると、慣れた身体です。リズム的に動き何事も苦になりませんー。 この年になって感心するのも笑われるかもしれませんが、電気・ガスのお陰で随分便利かつ、時間の短縮・・・すべて感謝ですー。私の子供の頃を思い出します。我家では、小学生の頃にガスが使い始められました。暖をとる時は、練炭火鉢や、こたつ、湯たんぽ…。こんな事を書き始めた私は歳を重ねた証拠でしょうか。寒い時は、猫の様に練炭火鉢に寄り添っていました。お風呂は石炭でした。火が落ちないように常に見に行き、家族の全員が入り終わるまで火の当番をしたものです。練炭火鉢は1個で1日もてて大変便利でしたー。常にやかんがシーンシーンと音をたてて沸いていました。時には、お餅、ホットケーキ、そして小さな焼き芋の釜がのっていました。よく、学校から帰ってくる時間を見計らって母が芋を焼いてくれていました。家中に甘い香りが漂い、嬉しかった事を思い出します。兄も、金杓文字で「カルメラ」をよく作ってくれました。練炭の火が丁度もってこいで、炭酸を入れてふっくらと盛り上がった処で、新聞紙の上にポンっとひっくり返し、上手に作ってくれていた事も鮮明に覚えています。また、網の上でミカンを焼き、何と表現してよい味なのか??ミカンの皮が少し焦げ、ミカンの果汁は熱くなり…変った食べ方をしておりました。(でも本当に美味しかったのです)ある時、母に1人用の鍋を買ってもらい、「鍋焼きうどん」をよく作ったものです。かつお節の出汁で、入る物は葱、卵、すまきのカマボコ、トロロしっかりとうどんが出汁を吸い、色濃くなりますが、忘れられない味です。今は、家の中はスイッチ1つで叶う事ばかりで、のんびりとした楽しみが消えました。私の様に気忙しい者は、火の用心の為、「スイッチポン」が一番なのかもしれませんネ。自分の年齢にびっくりしている今日この頃です。なぜ女将便りにこんな事を書いてしまったのかと考えてしまいました。実母が現在99歳、3月25日を迎えると100歳です。病院の帰りには必ず「外は真っ暗だから気をつけなさい。大きな荷物を持っているのだから足元をよく見て」と姉と私に母が声をかけます。「また明日ネ」と返事をして病院を出るのですが―。母との会話は、懐かしい思い出ばかりで、母が活き活きと話し出し、笑ってくれるので、嬉しくなる一時を過ごしているので、つい書いてしまった様です。 三月に入り花便りが書けると思います。現在は「山茶花」「椿」と庭の花は少しばかり淋しいですが、今からです。御来店お待ち申し上げております。風邪には充分お気をつけくださいませ。 By 女将 清子より