12月の御挨拶

12月号、遅れてはいけないと思っていましたのに、もう12月12日。毎日が早すぎます。毎日駈けずり回っている感じです。 忘年会時期で楽しく働いておりますが、本当に12月の声を耳にした途端、身も心も浮き足立っている自分に「落ち着け」と言い聞かせております。私の大好きな実母が今年の9月に入院しました。最近は、リハビリをしながら少しずつですが明るくなり、1日1回声を出して笑う様になりました。実姉と話し合い、楽しい話題、新聞の切り抜き、昔よく母が作ってくれた料理の事、私たちの子供が小さい頃によく面倒を見てもらった時の事、困った事、嬉しかった事等々・・・、毎日思い出してもらい、少しでも記憶が蘇るように過ごしています。今まで、朝は決まった時間に起き、食事や雨戸を開け、夕方には又閉めてという日常生活をきちんと過ごしていた母が入院して、何も人の為に役立つ事が出来ないその事に母は心を痛めている様です。 実姉夫婦に毎日見舞ってもらい、心から感謝しております。母は毎日、新聞や雑誌を読んでいた人ですから、私よりも物知りでした。姉も私もそんな母の姿が夢であり、誇りだったのです。96歳までも大病もせずに、頑張ってこれた事に、本人の努力もありましょうが、何かの力に感謝です。毎日々感謝以外にお礼の言い様がありません。この度、いろんな事を勉強させてもらっております。介護人の心、言葉遣い、表現等―気持ちばかりで上手く書けません。 母は周りの方達に迷惑と心配をかけるので気の毒と、口癖の様に言っております。昔人なので遠慮せずに手助けしてもらっても良いと話しても、どうにかして自分でしようとして、この度は骨折をしてしまい、ベッドの上ですが、それでも何かと気を遣い気丈に振舞おうと努めています。医療も進み、母も日々、顔色や話しぶりにも力が出てきた様に感じられ、沢山は食べてもらえませんが、母に習った料理、味付けで持ってゆき、1時間足らずのひと時を帰る間際まで大切に感じております。 「また明日も来ますネ」と念を押し、手を振り会釈をして姉と2人エレベーターに乗ります。その瞬間から、「明日」の事を考えています。  今日一日、幸福であれば明日につながりますので、今日 ― 今、その時を大切に向い合ってわずかな時間ですが、喜んでもらっています。
女将 清子より