カクテル物語6 「オールド・ファッションド」
ウイスキーの琥珀色を、そのまま楽しむようなカクテル。
「オールド・ファッションド」。
ウイスキーに砂糖、ビターズ。
そこに少量の水を加えて仕上げる、
とてもシンプルなカクテルです。
ひと口飲めば、まずウイスキーの力強さ。
そのあとに砂糖のほのかな甘みと、
ビターズの苦みが静かに追いかけてきます。
オールド・ファッションドとは、
その名の通り「昔ながらの」という意味です。
19世紀のアメリカ。
さまざまな材料を使った新しいカクテルが登場するなか、
「昔ながらの作り方で」と注文する客がいました。
酒と砂糖とビターズ。
余計なものはいらない。
そんな一杯が、いつしか
「オールド・ファッションド」と呼ばれるようになったと
言われています。
古いものと、古臭いものは、少し違います。
長く愛されてきたものには、
やはり長く愛される理由があるのでしょう。
甘くて、苦くて、力強い。
時代が変わっても変わらない、大人のカクテル。
今宵は、オールド・ファッションドを。
「バー・イムリ」で、お待ちしています。
カクテルの話5 「サイドカー」
カクテルの話 「サイドカー」
琥珀色にきらめくカクテルといえば、「サイドカー」。
ブランデーにホワイトキュラソー、
そしてフレッシュなレモン果汁を合わせたショートカクテル。
ブランデーベースの重厚さを想像すると、
意外なほどキリッとした酸味に、少し驚かされます。
甘さと辛さ、その境目を走るような味わいです。
サイドカーという名前の由来は、
第一次世界大戦後のパリにあると言われています。
オートバイのサイドカーに乗って
バーに通っていた将校のために作られた──
そんな粋なエピソードが、このカクテルに似合います。
舞台は、パリのリッツ・ホテル、
あるいはハリーズ・ニューヨーク・バー。
いくつもの説が語られるのも、この一杯の魅力でしょう。
ハードボイルドで、どこかロマンチックなカクテル。
今宵は、サイドカーを。
「バー・イムリ」で、お待ちしています。
カクテルの話4 ギムレット
1890年頃といえば、日本では明治20年代ですね。
イギリス海軍の軍医だったギムレット卿が、戦艦で配給されるジンを飲みすぎることを心配し、
健康維持のためにライムジュースを混ぜて飲むことを提唱した。
それが「ギムレット」の起源になったといわれています。
’
知ってる方も多いと思いますが、
ハードボイルドの名作「長いお別れ」には、
「ギムレットにはまだ早すぎる」という
名セリフがあります。
’
これは、主人公で探偵のマーロウと
依頼人レノックスのお話。
二人の男はいつもバーで最後の一杯に
ギムレットを頼んでいた。
しかしある事件をきっかけに
二人は別れを強いられる。
マーロウが名残惜しさを押し殺し
いつものバーで、ギムレットを頼む。
そこでレノックスがいうセリフが
そう、「ギムレットはまだ早すぎる」
「まだお前とはもう少し飲みたい」という
思いを込めて。
くぅー、こんなかっこいいセリフ
言ってみたいですよね。
バーイムリなら、似合うと思いますよ。
カクテルの話3 ソルティドッグ
ウォッカとグレープフルーツをブレンドするカクテルですが、
「ソルティドッグ」は直訳すれば「塩っぱい犬」。
これはイギリスのスラングで「甲板員」のことです。
甲板は太陽を遮るものがないため気温が高く、働く人は常に汗まみれ。
そのため、グラスの縁に塩をつけたカクテルを「ソルティドッグ」と
呼ぶようになったんです。
ちなみに、ソルティドッグから塩を取り除いたタイプのカクテルは
「ブルドッグ」と呼ばれています。
あるアンケートによると、男性で一番人気のあるカクテルだそうです。
では女性は?
………カシスオレンジだそうです。
カクテルの話2 「マンハッタン」
夕暮れ色のカクテルといえば、「マンハッタン」。
ウイスキーとベルモットを用いたショートカクテル。
真っ赤な色合いから甘いお酒を連想させますが、
ベルモットの種類によって味わいが変わるミステリアスなお酒です。
マンハッタンという名前の由来は1876年、第19代アメリカ大統領選の
候補者支援パーティーで考案されたという説が有力です。
ニューヨークのマンハッタン・クラブで開かれた候補者支援
パーティーで提供されたことから、その名前がついたというもの。
このカクテルを有名にしたのは、マリリンモンロー主演の
映画「お熱いのがお好き」。
舞台は、公の場でのお酒が禁じられていた禁酒法時代。
モンロー演じる楽団歌手が汽車の中で、ウイスキーにベルモット、
ビターズと悪戦苦闘するシーンは、マンハッタンの印象を強めました。
その色合いから「カクテルの女王」とも呼ばれる、マンハッタン。
今宵一杯、いかがですか。
「バー・イムリ」で、お待ちしています。
カクテルの話1 「マティーニ」
イムリのバーにお客様をご案内すると
初めて入られた方の多くは、ガラスの向こうに
広がる夜景に驚いていただけます。
そんな景色と一緒にぜひ飲んでいただきたいのが
カクテルです。
バーマンが作り出す宝石箱のような
珠玉の一杯をもっと味わっていただくために、
バータイムを楽しくする、カクテルのお話を
これから書いていきたいと思います。
一回目に取り上げるのは「マティーニ」です。
カクテルの「キング・オブ・キングス」と
呼ばれる「マティーニ」の由来は諸説ありますが、
“マルティーニ”という名のバーテンダーが考案したとされる説や、
原型となったカクテルに使われたのが「マルティーニ・エ・ロッシ社」
(イタリア)製のベルモットだったからという説が有力です。
レシピは200種類以上あるといわれていますが、
基本はジンとベルモットで作ります。
爽快感のあるキリっとした味わいが特徴です。
ベルモットの量によって、ドライ、エクストラ・ドライ、
ミディアム、スィートなどに分かれます。
ヘミングウェイ、チャーチル、
クラーク・ゲーブルなど有名人にもファンが多いことで
知られています。
あ、そうそう、「007」シリーズのジェームス・ボンドも
愛飲してましたね。
’
今度ぜひボンドの気分になって、ぜひ、マティーニを。
「バー・イムリ」でお待ちしています。




