どうして端午の節句に、ちまきを食べるの?
……と、小学生の甥からこの間、聞かれました。
即答できず、「そ、そういうことは自分でまず調べなさい」と
とりあえずはかわし、早速本を紐解いてみると。
話は今から約2300年前の中国に戻ります。当時、屈原という
詩人が国王の側近として仕えていました。屈原は正義感が強く
国民からも大変慕われていたそうですが、陰謀によって失脚し
国を追われてしまいます。
絶望した屈原は、川に身を投げて自殺。その日が5月5日だったそうです。
屈原の死を悲しんだ国民は、たくさんのちまきを川に投げて弔いました。
ところが漢の時代に、里の者が川のほとりで屈原の幽霊に出会います。
幽霊曰く、「里の者が毎年供物を捧げてくれるのは有り難いが、残念なことに、私の手許に届く前に蛟龍(こうりゅう)という悪龍に盗まれてしまう。だから、今度からは蛟龍が苦手にしている楝樹(れんじゅ)の葉で米を包み、五色の糸で縛ってほしい」と言いました。
それ以来、楝樹(れんじゅ)の葉で米を包み五色の糸で縛って川へ流したので、無事に屈原の元へ供物が届くようになりました。
これがちまきの始まりと言われています。屈原の故事から、中国では五月五日の節句には、節物としてちまきを作り、親戚や知人に配るという習わしが生まれました。
そして、その風習は、病気や災厄(さいやく)を除ける大切な宮中行事、端午の節句となったと言われています。時が流れて後、中国の三国志の時代、端午の節句は、魏(ぎ)の国により旧暦五月五日に定められ、やがて日本にも伝わってきたというわけです。
……まさしくちまきに歴史ありですね。
ところで、桜坂観山荘では、端午の節句お祝いプランを実施中です。
おかげさまで例年多くのお客様に来ていただいていますが、夜のお席なら
まだ少し余裕があります。
ぜひこの機会に、桜坂観山荘においでください。
卯月献立より、「料理のことば」
先月に引き続き、今月も卯月献立より、「料理のことば」を紹介します。
「1万5千円コース」より、「けんちん蒸し」の「けんちん」とは。
「けんちん地」を材料にした料理の総称です。
「けんちん地」は、大根、人参、ごぼう、筍、木耳などを細切りにして
油で炒めて調味、さらに豆腐を崩して加え、さらに炒めたものです。
「けんちん汁」、「けんちん煮」、「けんちん焼き」、「けんちん豆腐」、
そして代表的な献立が「けんちん蒸し」(巻繊蒸し)です。
「1万5円コース」より、「金山寺味噌」とは。
なめ味噌の一種。大豆を炒って粗く砕き大麦と混ぜて蒸したのちに
麴とし,塩を加え,ナス・ウリなどを入れたものです。甘みを加える
こともあります。
和歌山県湯浅地方の名産で、起源は唐の径山寺(きんざんじ)での
製法が伝えられたといわれています。
「1万円コース」より、「小袖焼き」とは。
袖口の小さい着物、小袖のように食材を普通の料理より、小さく切って
作り焼いたものです。他に、小袖もち、小袖かまぼこ、小袖すしなどが
あります。
「7千円コース」より、「真丈」とは。
やわらかいかまぼこのようなもので、海老のすり身を昆布だしや卵白で
すりのばして調味し、箸で簡単に切れるくらいのかたさに仕上げたもの
です。
「5千円コース」より、「桜煮」とは。
たこの早煮の関西風の呼び方です。
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